森林を所有者の観点から見た場合の区分とそれぞれの森林の役割など
森林を所有者の観点からみると、国有林と民有林に分けられています。
私たちはハイキング等で森に行き、自由に散策していますが、どこの森林にも、必ず所有者がいます。
林野庁をはじめとする国の機関が所有する森林が国有林です。約769万haあり、国土の2割、森林全体の3割を占めています。国有林は奥地の脊梁山地や水源地域に広く分布し、地域特有の景観や豊かな生態系を有する森林が多くあります。 また、森林の多面的機能/公益的機能を発揮する上で重要な位置を占めています。
民有林は都道府県や市町村の所有する「公有林」と個人や企業が所有する「私有林」に分けられます。1,741万ヘクタールで森林全体の7割を占めています。
林野庁「森林・林業白書」
私有林の中でも企業が森林を所有する森林を「社有林」と呼ぶことがあります。社有林は、住宅メーカ等の素材(丸太)生産の場となっていますが、 最近では、企業の環境貢献活動が活発になり、その一環として、 業界を問わず「企業の森づくり」が進んでいます。
企業の森では、森林の保全・整備の促進だけでなく、 従業員の環境教育や子どもたちの自然体験を通した健全育成の場の提供や、 企業の従業員等と農山村の地域住民等との交流を通した地域活性化など、 さまざまな社会的価値を生み出しながら各地で広がりをみせています。
学校が保有している森林は「学校林」と呼ばれます。全国のおおよそ3000の学校で、約2万haを保有しています。
小学校、中学校、高等学校が基本財産として所有している森林や国有林や民有林と学校との間で契約している森林などがあります。学校林では、児童や生徒への環境に関する教育や体験活動などが行われています。
学校林で生産された木材は、書棚や朝礼台、技術・家庭科の教材に利用されたり、学校の改築などに利用されています。