森林インストラクターとは
森林インストラクターとは
写真:中部森林管理局
森林インストラクターは、一般の人たちに対して森林や林業に関する知識を伝える専門家であり、また森林内での野外活動の案内や指導を行うスペシャリストです。彼らは「森林のエキスパート」、「森林案内人」、「野外活動のガイド」、「人々と森林のコーディネータ」としても知られています。
最近では、森林浴やハイキング、キャンプ、そして体験学習など、自然の中でリラックスや楽しみを求める人たちが増えています。これらの森林レクリエーションの場で、森林インストラクターが大いに活躍しています。
森林インストラクターは、森林の仕組みや人との関わり、四季折々に咲く美しい花や美しい鳥の名前、そして森林の生態について詳しく案内してくれる専門家です。森林インストラクターの案内により、森林でのレクリエーションがより楽しく、充実したものになるでしょう。そして、森林を案内され、知識を学んだ人たちは感動するとともに森林に対してさらなる興味を持ち、親しみを感じ、幸せな気持ちになるでしょう。森林を訪れる人々に対しこのような経験をサポートすることが森林インストラクターの重要な役割といえるでしょう。
森林インストラクター資格試験
森林インストラクター資格試験は「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」(=環境教育推進法)の第11条に基づき、「森林インストラクター認定事業」として環境大臣並びに農林水産大臣の登録を受けて平成3年度より実施されています。
資格試験の目的
森林インストラクター資格試験は、上記の環境教育促進法を受けて、次の目的で実施されています。
受験者の森林インストラクターとしての必要な知識及び技能の水準について、森林を利用する一般の人たちに対して、適切な知識の付与及び指導を行なうのに十分な水準を有しているか否かを判別するために行う。
数ある自然環境教育系資格の中でも早い時期に始まったもので、いわば「自然環境教育系パイオニア的な試験」です。現在は社団法人 全国森林レクリエーション協会の主催で年1回9月に実施されています(2次試験は11月中旬)。
森林インストラクター資格試験の受験者
森林インストラクターの応募資格は年齢20歳以上の人です。会社員、公務員から、教諭、学生に至るまで幅広い層の人たちが受験しています。会社員が3割程度、森林・林業に直接関係のある人たち(林野庁の職員や都道府県の林業関連部署に従事する人、森林組合の関係者など)が3割程度、その他、教諭、自営、学生などの人たちが受験します。また、無職(退職後に活躍の場を求める人たち)の受験も多くなりました。
試験の概要と合格要件
森林インストラクター資格試験は一次試験の「筆記試験」、二次試験の「実技試験及び面接試験」に分かれています。
一次試験をパスすると、二次試験へ進めます。
筆記試験(1次試験)では、「森林」「林業」「森林内の野外活動」「安全及び教育」の4科目です。6割以上の正解を基準に科目別に合否が判定されます。1科目でも不合格の場合は、一次試験の合格にはならず、二次試験の受験はできません。
ただし、1回の試験で4科目すべてに合格する必要はなく、一度合格した科目は次回の受験で科目免除となります(ただし、有効期間は3年間)。
森林インストラクターの仕事・活動内容
写真:中部森林管理局
森林インストラクターの資格試験の合格者は、森林インストラクターとして登録することができます。登録者は登録者名簿等により、都道府県・教育委員会・関係機関等に紹介されます。
活動内容としてはさまざまです。たとえば、都道府県の森林インストラクター会に入会して、森林イベント等で活動をしたり、環境保護団体や青少年団体、自治体などから依頼を受けて、自然観察会、林業体験教室、環境ボランティア、森林調査などを行なったりします。
森林インストラクターの仕事・活動内容例
●森林ガイド ●バードウォッチング ●森林観察 ●林業体験 ●きのこ・山菜採り ●森林浴 ●林間学校 ●キャンプ ●自然教室 ●大工教室 ●炭焼き教室 ●ネイチャーゲーム
〔参考文献・出典〕
全国森林インストラクター会・社団法人全国森林レクリエーション協会「森林インストラクター案内」/全国森林レクリエーション協会ホームページ/写真:中部森林管理局 広報「中部の森林」