木材を肉眼でみたときの木目や組織
木は育った環境でさまざまな表情になるんだ。例えば、木曽で育った桧は素直で使いやすい良い木材になると言われているんだ。
大きな木(丸太)から板をとると、もとの幹の外側に向いていた木表と、もとの幹の内側(幹の中心)に向いていた木裏ができ、それぞれ表情が違うんだよ。また、温暖な気候のもと、すくすくと育った木は、木目が荒くなったり、強度や耐久力がなかったり、弱々しい木材になると言われているんだ。人間も厳しい環境で育つ方が強くなれるのかも知れないね。
丸太から板や柱などに加工するときには、どのような角度で切るかによって年輪の見え方が違ってきます。この年輪の見え方を「木目(もくめ)」といいます。この木目は「柾目(まさめ)」「木口(こぐち)」「板目(いため)」の大きく3種類に分けられています。そして、それぞれの木目が見える面を「柾目面」「木口面」「板目面」と呼んでいます。
「柾目面」は年輪がほぼ平行にそろって見えます(まっすぐな縦縞模様)。「木口面」は年輪が輪のように見え、「板目面」は年輪が山のような模様に見えます。
柾目面…柾目板は反りや狂いが少ないというメリットがあります。柾目板は、高齢な大径木で、節の少ない丸太から取るため、板目材の10分の1程度しか取ることができないと言われています。そのため板目板の3倍程度の価格になってしまいます。
木口面…丸太が板に加工されたとき、通常は板の広い面に対して、長さが短い側の垂直に接している細い面の部分になります。
板目面…板目板は丸太の外側の部分から取られます。柾目板に比べて多く製材できるため、やや品質が劣るので柾目材に比べ安価になります。
木口面の外側の比較的淡い色(白っぽい)の部分を「辺材」といい、その内側の着色した(赤っぽい)部分を「心材」といいます。
樹木の幹には樹皮と木質の部分があります。樹皮と木質の部分の境界は形成層と呼ばれる部分があります。この形成層では細胞分裂が起こり、内側に木質をつくり、外側に樹皮を生産しながら、年々木が成長していきます。
木材の木口面を肉眼でみると、中心(樹心)から同心円状の「年輪」が目につきます。さらに観察すると中心(樹心)から外周に放射状に走る「放射組織」が見えます。
放射組織は水や養分の通路となったり、通気や貯蔵器官としての役割を果たしています。
〔参考文献・出典〕
(財)日本木材総合情報センター「木材の基礎知識」