ミクロに見る木材の構造
木材にはさまざまな木目や色合い、加工のしやすやなどの特性があります。これら特性は細胞の集合体によってつくりだされています。
木材の木口面を顕微鏡でみると孔だらけなことがわかります。木材は孔からできているといえるかも知れません。この孔はストローのような構造をしており水をくみ上げるはたらきをしています。その水は葉に達して光合成に使われます。
木口面を顕微鏡でみると、針葉樹材の場合は円形または角ばった細胞が並んでいます。これを「仮道管」といいます。この細胞は、春から夏にかけて成長した大きく壁の薄い細胞群(早材)と、夏から秋にかけて成長した小さく壁の厚い細胞群(晩材)が順次ならんでおり、これにより年輪がつくられます。
針葉樹材(アカマツ)
広葉樹は小さな細胞(木繊維)のなかに、大きな管のような細胞が多数散らばっています。この大きな管のような細胞を「道管」といいます。顕微鏡で見た場合、この道管の有無により針葉樹か広葉樹かの区別ができます。
さらに道管の配列には大きく3つのパターンがあります。一つは大きな道管が年輪に沿って規則正しく並ぶ場合で「環孔材」と呼ばれます。もう一つは比較的小さな道管が、全体に散らばっている場合でこれを「散孔材」といいます。さらに、放射状に並ぶ「放射孔材」です。
環孔材(ハリギリ)
散孔材(カツラ)
〔参考文献・出典〕
(財)日本木材総合情報センター「木材の基礎知識」