木材断熱性、鉄筋コンクリート造との比較

木造と鉄筋コンクリート造の年間を通じた室温の変化の比較

木材の断熱性と居住環境

日本のほとんどの地域では、夏は熱帯なみに暑く、冬は寒気が厳しい気候になっています。このような気候環境のもと、日本人が快適に過ごすためには、「夏は涼しく、冬は暖かい」居住環境が望まれます。


鉄筋コンクリート造と木造住宅の室温の変化

次のグラフは、鉄筋コンクリート造と木造の年間を通じた室温の変化です。どちらも外気温を緩和していることがわかります。しかし、鉄筋コンクリート造は年間を通して、外気温より高いので冬は暖かいのですが、夏は暑過ぎです。

年間の外気温度と室温変化

 

一方、木造住宅は外気温と比較すると、夏は涼しく、冬は暖かいことがわかります。ただし、木造住宅がいくら冬に暖かいといっても外気温と比較であり、グラフを見ると暖房機器が必要な温度です。

暖房機器等を使った場合、鉄筋コンクリート造では、熱伝導率(失熱)の大きいコンクリート壁などに熱が奪われ、部屋が暖まるまでに時間がかかり効率がよくありません。一方、木造の場合は素早く暖めることができます。


〔参考文献・出典〕
財団法人 日本木材総合情報センター「木材の基礎知識」「人と環境にやさしい木のはなし」をもとに作成/山田正編「木質環境の科学」海青社,1987