育成複層林施業では大きな木を伐採しても小さな木が残り、常に山が緑に覆われているため、森林のもつ公益的機能を維持させることができます。
育成複層林。上層木の一部を伐採しても、下層木が残り、緑が保たれることから、生物多様性の保全公益的機能を発揮させやすい。
従来の林業では、植林して40年~50年程したら一斉に伐採するという方式で行ってきました。しかし最近では森林整備の多様化の考えのもと、従来のように一斉に伐採するのではなく、少しずつ必要な分だけ抜き伐りし、そこに新たに苗木を植えたり、既に自然に生育している稚樹を育成するというやり方が増えてきました。
このようなやり方を「育成複層林施業」といいます。育成複層林は年齢や樹種の違いから異なる高さの樹木で構成される森林となります。
育成複層林のイメージ図
育成複層林
育成複層林施業では大きな木を伐採しても小さな木が残り、常に山が緑に覆われているため、森林のもつ公益的機能を維持させることができます。育成複層林施業は、林野庁をはじめ都道府県等が推進・推奨しています。
また、針葉樹の人工林内に広葉樹を導入することにより、針葉樹と広葉樹が入り混じった森林(針広混交林)をつくることもできます。
〔参考文献・出典〕
全国森林組合連合会・社団法人全国林業改良普及協会「緑豊かな未来のために森林整備を進めよう」/林野庁ホームページ