木材の用途
木の文化を育んできた日本
私たち日本人は、昔から生活の中に木をうまく取り入れ、生活がより豊かで快適になるように工夫してきました。日本の文化を語る時、木はなくてはならないほど、私たちと深い関わりあいを持ってきました。
縄文時代より木材は、住居等の建築物、食器や農具などの日用品、燃料などとして利用され、6世紀以降は宮殿や寺院の造営、築城、江戸の町づくりなどの資材として大量に使用されてきました。今の日本では、どのように利用されているのでしょうか?
現代は、紙と板紙(ダンボール)としての利用が特徴的
建築・土木や家具・建具、木箱など、いわゆる木材としての利用を合計すると53%となり、半分以上を占めています。これらは、日本古来からの木材の用途として、ほとんど変わっていません。
そして、現代ならではの木材の使い方として、紙・板紙の原材料が挙げられます。その割合も4割程度となっており、建築・土木とほぼ同じ割合です。商品の梱包用のダンボール(板紙)、製品のカタログやパンフレット、取り扱い説明書、コピー用紙など、枚挙に暇がないほど、私たちの身の回りには紙が使われています。
身の回りにある木材
木材は古より、日本人の暮らしとともにあり、上記のような建築用材や家具、建具、木箱などの他にも、船、桶や樽、下駄、彫刻、工芸品、箸などにも使われ、生活の隅々まで木でつくられたモノが浸透しています。
また、木材には、調湿性、芳香や感触の良さ、温もり、衝撃吸収(安全性)などがあり、室内に使うと快適性を高める効果があります。最近では、ストレス軽減などの、生理的・身体的・精神的な効果も明らかになってきています。
木材は多様な用途に使うことができ、快適で健康的な住空間まで創出することができるとても優れた素材であることがわかります。
快適な住環境を創出
〔参考文献・出典〕
日本の森を育てる円卓会議 提言書「木づかいのススメ」/(財)日本木材総合情報センター「企業セミナー・木づかいのススメ」