モミジ(紅葉)とカエデ(楓)の違い

秋の瑠璃光院(京都)

秋の瑠璃光院(京都)

イロハモミジ(左)とハウチワカエデ(右)

イロハモミジ(左)とハウチワカエデ(右)

01/03

モミジとカエデ

秋の紅葉の代表とも言える「モミジ」と「カエデ」。モミジのことを「カエデ」と言ったり、カエデのことを「モミジ」と言ったり、同じ意味に使われる場合も多いようです。何か違いがあるのでしょうか。

イロハモミジ、ハウチワカエデ、オオモミジ、トウカエデ

 

02/03

どちらもカエデ!

実はモミジもカエデも、どちらもムクロジ科カエデ属の広葉樹(落葉高木)の総称で、植物の分類上は同じです。モミジとカエデは、葉の見た目で使い分けています。葉の切れ込みが深いカエデを「○○○モミジ」、葉の切れ込みが浅いカエデを「○○○カエデ」と呼んでいます。例えば「イロハモミジ」「ハウチワカエデ」です。

日本では江戸時代から多くのカエデの園芸品種が造られ、20数種存在し、秋にはさまざまなモミジやカエデを楽しむことができます。

03/03

実は「カエデ」とは「カエルの手」のこと

しかし、「モミジ」と「カエデ」は別の意味を持った名称で、それぞれに由来があります。

モミジは、秋に草木が黄色や赤色に変わることを意味する動詞「もみず」に由来し、それが名詞化して「もみじ」になり、それから転じて、特に目立って色を変えるカエデの仲間を「モミジ」と呼ぶようになりました。

一方、カエデは、葉の形がカエル(蛙)の手に似ているので、「かへるで」、後に「カエデ」と呼ばれるようになりました。昔は、カエデの仲間で、葉が手のひらのように切れ込んだものをすべて「かへるで」と呼びました。「モミジ」も手のひらの形をしているので「かへるで」と呼んだようです。そのため、今も「モミジ」と「カエデ」は同じ意味のように使われているのだと思います。例えば「イロハモミジ」のことを「イロハカエデ」と呼ぶこともあります。

世界中に目を向けると、カエデは約160~200種が存在します。葉は、日本と同様にカエルの手の形をしたものが多いのですが、中にはごく普通の葉の形のカエデもあります。また、多くは落葉性ですが、常緑性のものもあります。

ちなみに「紅葉狩り(もみじがり)」とは、カエルを捕まえに行くのではなく、紅葉を見るために野山へ出かけることを言います(^-^)。

※植物分類上のカエデとは、ムクロジ科カエデ属のです。

Column

イロハモミジ

イロハモミジの写真

 

イロハモミジは、身近な街路樹や公園で見られ、日本の紅葉を代表する木といえるでしょう。イロハモミジの葉は掌状に5~9つに切れ込んでいますが、特に7つに切れ込んでいることが多く、これを「いろはにほへと」と数えたのが名前の由来です。イロハモミジよりも葉が少し大きいヤマモミジはイロハモミジの変種といわれています。イロハモミジは、日本庭園を象徴する樹種であり、園芸品種も数多くつくられています。


このページのトップへ