除伐 じょばつ
未来の森を育てる選木の作業
除伐(じょばつ)とは、育てようとする樹木(将来木)の成長を妨げる他の樹木を刈り払う作業のことです。主に植栽後数年から十数年の間に行われ、枝葉が互いに触れ合うようになる前に実施します。森林の中で、光や養分、水分を奪い合うことを防ぎ、将来有用な木が健全に育つようにする重要な作業です。
除伐の目的
除伐の主な目的は、成長の優れた樹木を選び出し、周囲の不要木(雑木)を取り除くことにあります。これにより、林内に適度な空間と光が確保され、残された木が太く健全に成長します。また、風通しが良くなることで病害虫の発生を抑える効果もあります。
除伐での対象木の考え方
除伐では、目的の樹種「育てようとする木」の成長を妨げる樹木(不要木/雑木)を取り除く作業ですが、最初に植えた「育てようとする木」であっても、次のような場合には除伐の対象になります。
- 成長が悪く、周囲の木に比べて著しく細い、枝が偏っている
- 傾いて育ってしまい、将来的に利用価値が低い
- 病虫害や雪害、風倒などで損傷を受けている
このような木を残してしまうと、良好に成長している木の生育を妨げたり、林分全体の品質を下げたりするおそれがあります。したがって、除伐では「最初に決めた木を守る」よりも、「その時点で最もよい木を残す」ことが重視されます。そのため、除伐の対象は「最初に育てようとした木」だけに限られず、現時点での生育状況を見て、将来の主となる木を新たに選び直すこともあります。これにより、林分全体の健全な成長を図ります。
除伐の時期
一般的に、植栽後5年から15年程度の間に行われます。時期を早すぎると再び競合木が生え、遅すぎると木々が密になり作業が困難になります。樹木の生育状況や地域の気候条件を考慮し、最も効果的なタイミングで行うことが大切です。
除伐の方法
除伐では、手鋸や刈払機を用いて不要木を根元から伐採します。最近では軽量のチェーンソーや刈払機なども利用され、効率的に作業できるようになっています。伐採した木はそのまま林内に放置して分解させ、土壌の有機質として還元することもあります。
除伐の意義
除伐は、森林の健全な育成と長期的な生産性の向上に欠かせない作業です。適切な時期に行うことで、後の間伐や主伐の際に価値の高い木材を得ることができます。人工林経営では、再造林後の最初の重要な手入れとして位置づけられています。

🌱 除伐ってなあに?
森の中では、たくさんの木が育っています。でも、木がぎゅうぎゅうに生えると、光や水を取り合ってしまい、元気に育てなくなります🌳。そこで登場するのが「除伐(じょばつ)」です。
除伐では、育てたい木のまわりの木を少しだけ切ってあげます。そうすると、残った木がのびのびと大きくなれるんです☀️。森の手入れは、人が森のお医者さんになるようなもの。除伐もその大切なしごとのひとつなんですよ。